不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上




名前…名前は……



『(凛)』


「あぁ??」


ツバサは聞こえねぇよと、怪訝そうな顔をする。




『(だから、りん!!)』



「口パクじゃわかんねーよ!!」



すると、


「リン…」



さっきまでずっと黙っていたアカリが、ぼそっと私の名前を呟いた。




「ツバサ、ちゃんと口を見ろ。リンっつってたろ」



「え。俺全くわかんねーんだけど。

てか、こいつ喋れねぇの?」




『(……っ)』



思わず体がビクッとした。