ムカついた私は、日頃の恨みを込めて、ツバサさんに渾身の回し蹴りを食らわせることにした。
『えい』
「……」
「……」
「……」
しーん。
室内に重たい沈黙が現れた。
渾身の回し蹴りをしたのに、ツバサさんビクともしない。
逆にポカンとした顔をしている。
そんなツバサさんが沈黙を破った。
「……これがお前の回し蹴りか?」
こくん、と私は頷く。
「お前俺のことおちょくってんのか?」
ぶんぶん、と首を左右に振る。
「これのどこが回し蹴りだよ!!1回転して蹴っただけじゃねーか!!」
『え、でもみんなこれでうわ〜って倒れてったよ?』
「リンちゃん…それはたぶんみんなリンちゃんの可愛さにやられたんだよ…」
そう言うハルキさんは笑いを堪えているのか、口を手で覆い、肩がプルプルと震えている。



