不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上




ムカついた私は、日頃の恨みを込めて、ツバサさんに渾身の回し蹴りを食らわせることにした。



『えい』


「……」

「……」

「……」




しーん。

室内に重たい沈黙が現れた。




渾身の回し蹴りをしたのに、ツバサさんビクともしない。



逆にポカンとした顔をしている。


そんなツバサさんが沈黙を破った。




「……これがお前の回し蹴りか?」



こくん、と私は頷く。



「お前俺のことおちょくってんのか?」



ぶんぶん、と首を左右に振る。





「これのどこが回し蹴りだよ!!1回転して蹴っただけじゃねーか!!」




『え、でもみんなこれでうわ〜って倒れてったよ?』



「リンちゃん…それはたぶんみんなリンちゃんの可愛さにやられたんだよ…」



そう言うハルキさんは笑いを堪えているのか、口を手で覆い、肩がプルプルと震えている。