不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上




「ほらツバサ、どいたどいた」



ハルキはツバサと呼ばれた男の子が寝ていたソファーに私を下ろした。



「救急箱待ってくるね」


私がこくんと頷くと、ハルキは部屋の奥へといなくなってしまった。







き、気まずい……………。



この部屋にはアカリとツバサと、私しかいない。


アカリは、コの字型のソファーの1番奥に座っていて、相変わらず無口。



ツバサは、反対側のソファーに移動して、私のことをじ〜〜と見ている。





み、見られてる…とても……

ど、どうしたらいいんだ……





と、



「…アカリ、この女何?」


「シラネ。」


「いやいや、知らねってお前…」




お前に聞いた俺がバカだったと、ため息をついたツバサは、


「お前名前は?」

なんて私に聞いてきた。