不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上




『…って、ちょっと待って』


「あ?何だよブス」


「どうしたの?リンちゃん」




ツバサさんと違って優しいハルキさん。

隣から心配そうに顔を覗いてくる。





『私、姫になんかならない、よ…?』




瞬間、さっきまでザワザワしていた倉庫がシーンと静まり返った。








「……アカリてめぇ起こしに行った時、説得するっつてたよな?!」



静まり返った倉庫に、ツバサさんの怒鳴り声が響く。



「……」


「おーい!何で今そっぽ向いた?!お前まさかこのブス抱っこできて、ルンルンで忘れてましたとかじゃねーだろうな?!」



「……」



アカリさんは、うるさいとは言わないが、無表情で耳栓をし出した。




「アカリーーーー!!」



「まぁ、ツバサ落ち着けって。ここはリンちゃんに訳を聞こう。

リンちゃん、どうして姫になりたくないの?」