大勢の人から注目を浴びるのは、いい気持ちがしない。
「お前らうるせーぞ」
ハルキのこの声に救われた。
静まった空間には、ヒタヒタと私が血で染まった足で階段を上る音だけが響いた。
すると、
「だめ。やっぱ見てらんない」
『(っ?!)』
ぐいっと体を持ってかれたと思ったら、最初と同様、俵担ぎされていた。
顔を上げ、降ろしてと意を込めてハルキを見つめても、「はーい、大人しくね〜〜」と笑って流されるだけだった。
そんなやりとりをしているうちに、上の1番奥の部屋に辿り着く。
アカリがドアを開け、中に入る。
中からは
「お〜アカリ〜遅かったな!」
なんて大きな声が聞こえた。



