不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上


大勢の人から注目を浴びるのは、いい気持ちがしない。


「お前らうるせーぞ」



ハルキのこの声に救われた。


静まった空間には、ヒタヒタと私が血で染まった足で階段を上る音だけが響いた。




すると、

「だめ。やっぱ見てらんない」



『(っ?!)』



ぐいっと体を持ってかれたと思ったら、最初と同様、俵担ぎされていた。




顔を上げ、降ろしてと意を込めてハルキを見つめても、「はーい、大人しくね〜〜」と笑って流されるだけだった。






そんなやりとりをしているうちに、上の1番奥の部屋に辿り着く。


アカリがドアを開け、中に入る。




中からは


「お〜アカリ〜遅かったな!」



なんて大きな声が聞こえた。