出発してしまった車。


運転しているスキンヘッドの男の子が、バックミラー越しにチラチラこっちを見てくるだけで、車内は、しんとしている。



いろんなことを考えてしまう。


ど、どうしよう……
勢いに負けてここまで来てしまったけど、この人達も、あいつらと同じだったら……

あいつらと、一緒で、私の“力”を利用するのが目的だったら……







どうやって逃げようかと考えてるうちに、ふと潮の匂いがして、車が止まった。




辺りを見ると、目の前は海。
近くに古びた倉庫がいくつか並んでいた。