「かずゆきだよ…きみのお名前は?」 そう言って無精髭を生やしよれよれの作業服を着た青年は訊ねた 「吉永幸乃(ゆきの)だよ。パパとねぇマナが付けてくれたの。桜吹雪が雪に見えるように幸せになって欲しいからだってさ」 幸乃は訊いてもいないことをぺらぺらしゃべる 彼女はそういうお年頃かもしれない 頭を撫でながら男は終始笑顔で続ける 「…あのさ、パパとママのお名前は何ていうの?」 「まさふみとまなか!」