両手に春を感じて心に雨が降る

そしてこの恋にさよならをやっと告げれる

お産のために実家で過ごすわたしをかずゆきは見かけたのだろうか

玄関先のポストに手紙が届いていた

夢の中でも電話越しでもかずゆきの声を聞きたかった

言葉を交わすのが苦手な現代のわたしたちは

いつもLINEでのやり取りだった

手紙とはまた古風であるがブルーのインクで書かれた文字は確かにかずゆきのものだ