傘の竿先から滴り落ちる水滴を眺めながら まさふみ先輩の好きなところを想い浮かべてみようとする それなのに春霞のようにかすんでしまって上手くイメージ出来ない 私は本当に先輩のことが好きなんだろうか… だとすればこの気持ちは何なんだろう 浮かばない顔でひとり正門をくぐる いつもはかずゆきと一緒だが今日は寝不足なうえ、寝過ごしてしまって待ち合わせ場所にいつもどおりに行けなかったのだ 待ち合わせ時間に15分待ってもこない場合には先に行くというルールがある 今朝はそれに救われた気がした