ぶってやろうかと思った 右手を大きく振りかぶってその勢いのまま吉永もも子の頬に当てればいいのだ しかし理性が本能を抑える 暴力を振るったかといってこの心がどうなるものでもなかった 「何よ、早くぶちなさいよ」 「殴る価値もない」 そう言い放って僕は保健室から出て行った