「トシ、こっちにパス」 キャップハットをかぶった男が手を上げる ジャンプして奪い返そうと思っても高く放物線の弧を描いて手が届かない 上手くパスを受け取るとどうやらHLDのボタンを押してしまったようだ 男たちがわたしの携帯に意識を集中させると 吉永もも子のマークも次第と薄れる その絶好のスキをついて吉永もも子は男の拘束から逃げ出すことが出来た 「くそっあのアマ!」 「なに逃がしてんだぁ?」 「吉永さん、早く逃げて」 吉永もも子はニヤリとわたしに向かって不適な笑みを浮かべた