吉永もも子に連れられて来たのは体育館の倉庫だった 体育道具が無造作に片付けられている 少し汗の匂いとかび臭い匂いで充満していた 「ちょっとここで待ってなさいよ、これがラストチャンスなんだから。いい、分かったわね?」 「…あの、ねぇ、吉永さん?」 吉永もも子はわたしを体育館の奥に追いやるとひとり鍵をかけて出て行った 扉をドンドン叩いてみるも誰もいないのか開けてくれない 「吉永さん、どこ行ったの?開けて、開けてよ!誰か開けて!」