「せっかくだから付き合っちまえば」

「なんでだよ。しゃべったこともないのに」

「ちょっとは女性ホルモンが増えるかもしれねえし」

「……ボクが女の格好をして、女の言葉をしゃべったら、純平は嬉しいの?」

「うーん……、キモい?」


純平は、たっぷり30秒くらい考えてからそう言った。
美紗がぺちっと可愛らしい音を立てて純平の額を叩く。


生徒会長と付き合うかどうかは全く別問題だけど、と前置きし、やっぱり美紗はボクに、もう少し女らしくしろと注意した。


いつも通り純平の部活が終わるのを美紗と2人で待っている図書室に、噂の生徒会長が現れたのはそのさらに翌日のことだった。