故人が確かにいたことを、過ごした時間を、愛したことを、愛されたことを、決して忘れない。
けれど遺された者は生きる。
強く、前を向いて。
それは死者たちの願いである。
そしてそれを叶え、彼らの分まで残された命を全うすることこそが、遺族のすべきことだ。
悲しみに暮れて俯いていてはいけない。
幸せであれと、彼らが願うのだから。
故人の願いに添いたい――それがすなわち、遺族の希望、なのかもしれない。
玲奈の家に入ったのは昼過ぎだったが、話し込んでいる間に夕刻を迎えていた。
夕飯をまた玲奈の母が勧めてきたが、今日が実家で過ごす最後の日であるみのりは丁重に断った。
3人は家を出て、その足で廣岡家の墓へと向かう。
みのりと亮の子の名が刻まれた場所へ。
穏やかな晴れの日だった。
夕陽が西の空を鮮やかに染めている。
東側は既に夜の侵食が始まり、頭上に拡がるキャンバスには緩やかなグラデーションが描かれていた。
けれど遺された者は生きる。
強く、前を向いて。
それは死者たちの願いである。
そしてそれを叶え、彼らの分まで残された命を全うすることこそが、遺族のすべきことだ。
悲しみに暮れて俯いていてはいけない。
幸せであれと、彼らが願うのだから。
故人の願いに添いたい――それがすなわち、遺族の希望、なのかもしれない。
玲奈の家に入ったのは昼過ぎだったが、話し込んでいる間に夕刻を迎えていた。
夕飯をまた玲奈の母が勧めてきたが、今日が実家で過ごす最後の日であるみのりは丁重に断った。
3人は家を出て、その足で廣岡家の墓へと向かう。
みのりと亮の子の名が刻まれた場所へ。
穏やかな晴れの日だった。
夕陽が西の空を鮮やかに染めている。
東側は既に夜の侵食が始まり、頭上に拡がるキャンバスには緩やかなグラデーションが描かれていた。


