「説明は致します。その後、あなたはこの子を許せないと思うでしょう。その前に見ておいて欲しかった。狡いと分かっています。けれどこの子の罪は全て、私のせいなのです。この子ではなく、どうか私だけを責めて下さいますように……」


長々と前置いた後に、ジェシカは静かに孫娘に掛けられている毛布を捲った。
現れたその娘の異様な姿に、美和子は即座には何も発することが出来なかった。

ジェシカの孫は、ベルトのようなもので5箇所、全身を抑えつけるようにベッドに拘束されていた。
他の入院患者から隔離されているわけでもない、普通の一般病棟でだ。

その意味するところを量りかねて戸惑った。

映画などでそういうシーンを見たことがないわけではないが、それは例えば敵国のスパイなど危険人物を捉えた時だったり、得体の知れない悪の研究者が合意なしの違法な人体実験でも行う時だったりしなかったろうか。
或いは――、予測不可能な奇怪な行動、主に暴れる可能性のある精神病患者か。