隠したかったのは玲奈に、隆司にもう1人娘がいた――もうひとつの家族があったという事実ではないのか。

そう思っていたみのりには、亮が口にした疑問の意味が分からなかった。


結局玲奈は彼女の父にもう1人子どもがいたことも、父の死に際に一緒にいたのがさらにその子どもであることも知ってしまった。
玲奈のために彼女たちの存在を隠そうとしたのならば、それは失敗に終わったわけだ。

そして隠したがために、余計に玲奈を不安にさせ、世間からは理不尽な叩かれ方をする羽目になった。


――隆司のもう1人の娘とその子の存在を、玲奈に隠すため……?

何かが喉につかえたような違和感があった。