私は隣に視線をやった。 「あんた、視えるんだね」 「なっ……!!」 いつ移動したの?! 「あ、あなたは…」 「あんた名前は?」 私の言葉を思いっきりさえぎった隣の人。 な、なんてやつ…!! でも、さっきは驚きのあまり気がつかなかったけどこの人、すごいきれいな顔してる…。 それに、サラサラの黒い髪。 「あんたのなーまーえーはー?」 その男子は私に顔をずいっとちかづけてきた。 ち、近い!! 私は彼を押そうとした。