早速レイアップの練習を行うかと思った時、文槻が手を挙げた。



「………何……」

「ねぇセンセぇ〜。花梨、センセぇの見本見たいなぁ〜」

「無理……めんど…」

「えぇ〜。お手本としてならいいじゃん!みんなも見たいよね!ね!?」



そう言って私達を見る文槻。明らかに目が脅してるっつーの。

でも、逆らえないので口々に“お手本見せて下さい”の声があがる。



「……はぁ………まぁいいけど……ちゃんと、見てろよ…」



皆が見たいと懇願しているのには断れず、東雲先生はため息をつきながらも相変わらずの無表情でボールを持った。


ゴールから一定の位置まで行き、ゴールに向かい合うとドリブルをしながらゴールに向かう先生。
その姿も様になっててカッコいい。


綺麗なシュートを決める。



上がる女子の歓声。

下がる私のテンション。


耳キーンてなったわ。
確かに顔もスポーツやってる姿も一般的に見てカッコいいとは思えるけど、耳キーンてなったしテンション下がり具合ハンパないわ。



「じゃあ…これ、見本に………始め」

「「「はぁーい!!!!」」」



次々に行っていく中、私も負けじとついていく。
自分はぽっちゃりで動けないと思われがちだが、以外とスポーツできる方だ。


めんどくさがりでもあるけど。


それでも文槻とその取り巻き達が地味に邪魔してくるからウザかった…

私の前で遅くシュート打ったり、わざと後ろからボール当てようとしたり。
やになるわぁ。





ピィーーー!!!!


しばらくして、再び笛がなった。



「そこまで……これ踏まえて、試合」



次は試合か…と憂鬱な気分がぬけない中、作ったチームごとでそうわたりによる簡単な試合をやっていった。


そしてある出来事が起こった…