思い出せない・・・いや、そんなことはない。だって私は、最初から知らないはず。

「前も言ったとおり、矢野とは二年前が、初対面よ。」

「そう、桜楽さんまだ思い出せないんだね。だったら、俺が思い出させてあげるから、覚悟しててよ。」
不敵な笑みを見せ、その場を去ってた。

「なんなの前回といい、今回といい。覚悟って・・・」

(やっぱり矢野は苦手だ。)

本当、嫌な性格してるわ。と思いながら資料を探し終え、総務部に戻る途中思い出した。

洸の言った言葉を、そして覚悟がなんなのかと考えながら。何をしてくるのか想像がつかない。