「このまま離れたくない……」 志則の背中に呟いた。 杉田君より、背が高くて広い背中に。 なに言ってるんだろう私……。 どうしてこんなことが言えちゃうんだろう。 誰にも甘えるような言葉を言ったことがなかったのに……。 振り返った志則は、私に優しく微笑んで手を差し出し言った。 「俺も……」 私は、志則の手を握ってしまった。 私が求め続けていた手とは違う 志則の手を…。