「へっくしょん!!
やばぃ、俺まで風邪ひいたかも」
鼻をこする志則の髪は、まだ少し濡れていた。
そういえば私の髪……
いつの間にか乾いてる。
濡れた白いタオルが床に落ちていた。
眠っている間に志則が拭いてくれたの?
今まで気づくことのなかった志則の優しさに気づいてしまう。
ねえ、志則って
今までもこんなに優しかったの……?
「こっちにおいでよ。
風邪移したって言われると困るから」
少し布団をめくった中に、志則が座った。
「あったけぇ!
おまえこんな温かい所に一人でいたのかよ!」
「ふふ、気持ち良いでしょー」
志則と二人で並んで座った。
志則の冷え切った体から冷たい空気を感じる。
その空気がまた心地良い。

