「ん……んん」 志則が眉間にしわを寄せて苦しそうに眠っている。 「志則!」 咄嗟に声をかけた。 もしかしたら、志則も辛い夢を見ているのかもしれない。 竜也さんの彼女の夢。 「志則、大丈夫?」 ぱっと目を開けた志則が目を丸くして私を見ている。 「え? 何が??」 「今、魘されてたから……。 変な夢でも見た?」 「……覚えてない」 笑顔になった志則を見てほっとした。 私と同じような辛い夢だったら、苦しすぎるから。