「乗って」


志則が背中を向けて言った。




『乗って』って……

それっておんぶするってこと?


少女マンガじゃあるまいし、イヤだよ!!


それに私、重いし
志則、足怪我してるでしょ……。




「やだ」


「歩けないだろ?」


「だって……重いもん」


「そんなことわかってるよ」



呆れた口調の志則。


私の体を知っている志則には、そんなことは初めからわかっていることだった。



私は渋々志則の背中に乗った。




志則の背中は、冬の寒さを感じさせなかった。


こんなに雪が降り注いでいるのに……。