突然振り返った志則に驚いた。 驚いたと同時に志則の顔が歪んで見える。 頭の中がついにパンクしちゃったみたい。 足元まで歪んで見えてくるよ……。 志則が私の顔を覗き込んで額に手を触れた。 「おまえ熱ある」 志則のその一言で体中の力が抜けた。 頭がおかしくなったわけじゃないんだ…… 私、熱があるんだ……。 力なくしゃがみこんだ私の顔を覗き込む志則。 しゃがんで私と同じ目線で見てくれた志則の瞳が綺麗に思えた。