――パチン 消毒の蓋を閉めた音と同時に、志則が私を抱き締めた。 「俺の体癒して」 私の頬にキスをする志則から消毒の匂いがした。 私を抱き締める志則の頭にあるのは、 竜也さんの彼女。 この傷も あの怒りも あの強い眼差しも 全て竜也さんの彼女のもの。