いつもそうだった。 志則と過ごす時間は 時の流れを感じさせない。 とても心地よくて いつまでもこうしていたいと思ってしまう。 月の光の中 私達は長い時間抱き締め合っていた。 「そろそろ、戻らないとね……」 言いたくない言葉を小さく口にした。 「そうだな……」 志則の腕から離れた瞬間、胸の中が空っぽになったようだった。 自分で決めたことなのに 二人で選んだ道なのに 離れたくない。