私の唇から手を離した志則が顔を上げた。
その瞳は月の光で輝きを増し
とても綺麗だった。
「俺、ずっとわからなかったんだ。
愛実が俺にとってどんな存在なのか。
わからないまま何度も抱いてた……」
志則の綺麗な瞳が、何度も瞼の奥に隠れようとする。
私は志則に後悔させているのかもしれないと思った。
「最低だよな、俺……」
悲しそうな志則の瞳。
後悔させてしまったんだ……。
私の告白が志則を苦しめてる。
私は首を大きく横に振った。
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