もう周りにどんなふうに思われてもいい。
私は志則と話がしたい。
話がしたいの!!
ステージの横に着くと、歌い終えたばかりの志則たちがいた。
私は、まだみんなの注目を浴び続けている志則の手を思いきり掴んだ。
「めっ、愛実!?」
驚いている志則の顔を睨みつけ、何も言わずに手を引っ張り走った。
後ろからは冷やかし声と
なぜか高木君の「行け行けー!」って言う声が聞こえてくる。
今、どんなに恥ずかしい思いをしても
この手を離さない。
絶対に離さないんだから!!
私はみんなの視線を感じながらも、志則の手を強く握り体育館を後にした。

