腕を組み、体を揺らして『贈る言葉』を歌う志則たち。
送られるあんたたちが『贈る言葉』を歌ってどうすんのよ!
私の頭の中は送ると贈るの区別もつかないくらいごっちゃになっていた。
ただ、志則の楽しそうな顔を見ているだけでイライラして
悲しくなって……
気がつくと涙が溢れていた。
「愛実、大丈夫?」
「だいじょ……うぶ……じゃない」
心配して声をかけてくれた理子に答えた。
そして私は、もう抑えきれない思いをぶつけにステージに向かった。
私の行動に驚き、目を大きくしている理子と小百合の隣で
久美子が叫ぶ。
「行けー、愛実!」
涙を拭い振り返ると、
そこには大好きな三人の笑顔があった。
その笑顔に勇気をもらい、
私は走り出した。

