「今日でこのクラスともお別れだな。
ま~、同窓会で顔を合わすことはあるだろうけど……。
みんなが大人になった姿に会えるのを楽しみにしてます。
けど、何か悩みがあるときは、いつでもここに来い。
先生はいつまでもおまえたちの先生だから」
先生の言葉が、私の苛立ちを消してくれた。
いつも熱血で暑苦しいと思っていた先生。
先生の心の温かさを、卒業式を迎えて初めて感じた。
卒業したら大人にならなきゃいけないと思ってた。
前だけを見て生きていかないといけないって思ってた。
だけど、違うんだね……。
先生にとって私達はいつまでも生徒で
悩んだり苦しんだりした時、
振り返ってここに来てもいいんだね……。
「5時からの祝会は、二年生が頑張って企画してくれてるから
くれぐれも遅刻しないように。
では……解散!!
卒業おめでとう……!!」
目を潤ませて教室を出て行く先生の背中を
私は胸を熱くして見つめた。
『先生ありがとう』
感謝の言葉を胸に……。

