息を切らす私の目に飛び込んできたのは、
紙パックのバナナオレを飲んでる志則だった。
「やっと、見つけたっ……」
息があがって言葉がつながらない。
こんなに走ったのは久しぶりだった。
「どんだけ走ったんだ?
俺ならずっとここにいたのに」
疲れきっている私を見て、呆れて笑い悠々とバナナオレを飲んでる志則。
「ずっと……ここにいたの?」
「きっと愛実が来ると思ったから」
私が来ることを予想していた志則にドキッとした。
志則は私の行動がよめちゃうんだね……。
「飲む?」
黄色いパックのバナナオレを差し出す志則に、首を横に振って見せた。
こんな状態じゃストローでなんか飲めないよ!
って言いたいけど、今は無理。
志則の隣に座り、なんとか息を整える。
私の心臓のバクバクが落ち着き始めると
志則はそれを待っていたかのように静かに口を開いた。

