「ごめんなさい!!」
目を瞑ってる志則に
頭の中に浮かんでくる言葉を打ち消して叫んだ。
その途端に、冷やかしてた男子が志則に抱きつき慰めはじめた。
「頑張った! よく頑張ったよ!
志則をふるなんて市ノ瀬に男を見る目がないんだって!」
「だよな~。
おい、市ノ瀬! 俺をふったこと、卒業してから絶対後悔するぞ!」
笑って私を指さす志則。
『べ~』っと舌をだした志則に、私もお返しの『べ~』をした。
その後すぐに教室に先生が来て、
何もなかったようにホームルームを始めた。
さっきまでの騒ぎが嘘のよう。
みんないつものように席に着いて、お喋りしたり携帯をいじったり……。
だけど、
私の胸の中だけはずっと騒がしいままだった。

