なに……言ってるの?
クローバーを描いたのは私だよ……。
そのことに気づいて嘘ついたの?
私に恋してるって言うのも、嘘……?
嘘だよね……?
冷やかす男子を笑顔でかわしている志則。
そんな志則に、西村さんが声をかけた。
「吉田君がそんな女の子のおまじないをするなんてありえない!
本当は市ノ瀬さんが描いたんでしょ!?」
真剣な眼差しの西村さんは、
たぶん志則に恋をしている。
じゃなきゃ……こんな状態で口をはさむなんて、
今までの西村さんからは想像もできない。
恋をしてるから強くなれるんだ。
恋をしてるから本当のことを知りたいんだ。
志則もきっとそのことに気づいてるはず。
気づいているはずなのに……

