「いい加減にしろ!!」


笑みを浮かべる男子に高木君が喰いかかろうとした時、

静かな声が教室に響いた――


「何やってんの?」




教室に入ってきた志則が辺りを見渡した。



男子に向かっていこうとしていた高木君。

やばって顔を歪める男子。

冷たい視線のクラスメイト。

涙目で必死に立っている久美子。

泣いている私……


そして、黒板に書かれた赤い文字。




志則は無言で黒板の文字を消した。