久美子の声にみんなが驚く。
そんな中、面白がって私と久美子の前に複数の男子が出てきた。
「久美子ちゃんてさ~、吉田のこと好きだったんだろ?
あんなに積極的にアピールしてたのに、友達に寝取られちゃったんだ~」
「かわいそ~」
「やめてよ!!」
立ち上がって言い返そうとしたら、
久美子が更に私の前に立ち言い放った。
「いい加減にしてよ!!
愛実はそんな子じゃない!
愛実はいつだって一生懸命で、遊びでセックスなんかしないよ!」
私を守ろうと私の前に立ち、懸命に声をあげてる久美子を見て涙が溢れた。
久美子だって傷つけられてるのに……
それなのに、私を守ろうと必死になってくれてる。
「意外だな~。久美子ちゃんは友情より男を選ぶと思ってたのに~」
「もうやめろよ!」
口を止めない男子に高木君が声をあげた。
「あれれ? ここでは男女の友情ですか?
それとも恋かな?」
一度面白がって始めたことは、なかなか止まらない。
それが男子の子供の部分なのかもしれない。
止めに入った高木君までもを自分たちの遊びの対象にする。
他のクラスメイトは、何を言うわけでもなく
近くにいるのに、遠くから見ている観客のようだった。