見慣れた黒板に、赤い字で大きく書かれていた。




「なに……これ……」


心臓がバクバクして呼吸が上手く出来ない。



「愛実ちゃん……今朝、教室に来たら書いてあったんだ。
こんなの嘘だろ?」


高木君が不安げな顔で言った。


その隣で面白そうに笑みを浮かべている男子たち。

ひそひそ話をしている数人の女子。



私は高木君の質問に答えるどころか、誰とも目を合わせることが出来なくなっていた。




「おはよ~!
あれ? 何、この空気……何かあったの?」


久美子が教室に入り、私の顔を見た。

そして私の視線の先を追い、赤い文字に目を向けた。



「なんなのよコレ!!
誰がこんな事書いたの!?
出て来なさいよ!!」


怒りをあらわにした久美子の声が教室中に響いた。