教室の掃除当番だった私は いつもより念入りに机を磨いた。 たくさんの同じ形の机。 だけど、机の色や落書き…… 同じものは何一つない。 同じ時間を過ごしている中、 みんなそれぞれの思いで机に向かっていたからだね。 サッカーボールの落書き。 好きな人のイニシャルが書かれた相合傘。 片想いの歌詞。 アニメの絵。 志則の机には、何も書かれてなかった。 私の机にも……。 なんだかそれがとても寂しかった。