もやもやした気持ちを冷ましたくて、いつもより早く家を出た。


まだ誰もいない寒い教室で、
冷たい椅子に座り一人でぼーっとする。


こんな時、白馬の王子様が来て
私の心を救ってくれたらいいのに……。


白馬の王子様に夢中に恋したら、志則のことなんか忘れちゃうのにな……。




ガラガラっと教室のドアが開き、振り向くとそこには杉田君が立っていた。



ずっと私の白馬の王子様だと思っていた杉田君。


だけど、


杉田君の顔を見ても

私の心はもうときめかなかった。