布団の中に入ると、また涙が込み上げてきた。


志則の唇の感触が消えない。



両手で唇を覆い、声を漏らして泣いた。





志則とのキス――


もっと、ちゃんとしたかった。


ちゃんとしたかったのに……。




頭の片隅で、いつからか志則とのキスを想像してた。

恋人達がするような、胸をときめかせるキス。


私達は告白もなく、

何もないままセックスをしちゃったから……



だから

キスだけはちゃんと向き合ってからしたかった。



二人がキスをする時は

心が重なった時って信じてたのに……。





志則のキスが

私の胸の中を切なさでいっぱいにした。