「やっ……!!」

力いっぱい志則を突き離した。


志則はそのままベッドに座り込み、泣いている私を見上げた。



「どうして……
どうしてこんなことするの……?」


私の瞳に映る志則の唇の感触がここにある。

今まで感じた事のないその感触を流すかのように、いくつもの涙が伝った。



志則は、何も言わず悲しげな顔で私を見ていた。




「志則のバカ!!」


私は部屋を飛び出した。


そして、追いかけてこない志則にもう一度「バカ」と言った。





どうしてキスなんかするのよ……。

どうして追いかけて来てくれないのよ……。


志則は私をなんだと思ってるの?

久美子は傷つけなくないから抱かない。


抱かれてる私って、何……?




あんなキス……


あんなキスするなんて

酷いよ!!





志則のバカ!!

バカバカバカーーー!!!!