あのあとどうしたのか全く覚えてない
ただもうひとつ住所のかいた紙が机の上に置かれていた
それだけは覚えている
あの紙はいったいどこにやったのだろう
私はあの時いったいなにを思ったのだろう
でもきっと私はあの時を一生忘れないと思う
不思議で……それでもドキドキが溢れて、初めてカナウ君からもらった温もりを私はきっといつまでも覚え続けるのだ
まだ残る肌の感触にまたドキリと心臓が音をたてた
私は自分の部屋の棚から毎年もらう年賀状をしまった小さな真っ白の箱を取り出した
バラバラと1枚1枚の名前を確認してその手をすぐに止めた
5枚目ぐらいで彼の名前が出てきたからだ
重留カナウ
きれいな字で書かれたその文字は大好きな人の名前
裏には明けましておめでとうとプリントされているそのすぐ下に『今年もよろしくお願いします』そう書かれていた
カナウ君の見慣れた文字を指でなぞりカナウ君はどんな気持ちでこの言葉を書いてくれたのだろうと目を閉じて想像してみる
面倒くさがったかな?
それでもちゃんと書いてくれたことが嬉しくて仕方なかった
信じてなかった訳じゃないけど100%信じていた訳じゃなかったから、うん、ごめん
このカナウ君の名前を見つけたときは泣くほど嬉しかった
そしてもっと……もっと大好きになる


