その言葉に、やっぱり私たちは危険と隣り合わせなんだと思い出した。思わず身震いすると、勇飛くんが安心させるように言う。

「セリは俺の隣の部屋にするといいよ。何かあったら助けに行ってあげるから」

 ありがとう、と言おうとしたのに、マスター・クマゴンが割り込んでくる。

「あらダメよ。剣士様の隣はあたし。セリはその隣になさい」
「えっ」

 反論する間を与えず、マスター・クマゴンはじろりと私たちを見た。

「わ、わかりました」

 先生に叱られたときのように、私は首を縮ませながら言った。

「あとで夕食にしましょ。あたしが料理してあげるから、ダイニングに来なさいよ」
「わかりました」

 私は返事をしてマスター・クマゴンの隣の部屋のドアを開けた。「まったく、近頃の若い子たちは。不純異性交遊って言葉を知らないのかしらね」とつぶやくクマゴンの声が聞こえてくる。

 部屋の中は薄暗くて、気味が悪かった。マスター・クマゴンの部屋と接している壁に暖炉がある。

「インフレイム」