秋になって草が枯れた色なのだが、こんなにも広々と広がっている光景を目にすると、気持ちが安らいでくる。
束の間、私は何もかも忘れて見入っていた。頬を撫でる優しい風、穏やかな太陽の光、枯れ草の匂い……。
なんて平和なんだろう。
そう思ったとき、脇に抱えていた本が一冊、するりと落ちた。
「あっ」
あわてて手を伸ばしたとたん、体がぐらりと前に傾き、石塀の向こうへと派手な音を立てながら落ちた。
「あ、い、たたた……」
魔法書を抱えていたので両肘をしたたかぶつけてしまって、腕に力が入らない。
「やだもう」
ため息をついて座ったまま石塀にもたれた。しばらくそうしていて、やっと手の痺れが治まったころ、ゆっくりと立ち上がった。そうして水音の聞こえてくる方へと歩く。やがて水音が大きくなり、崖の上に出たかと思うと、眼下にとうとうと川が流れていた。山賊に襲われて私たちが飛び込んだ川だろうか。
川を見下ろしながら上流の方へ歩いて行くと、三段の滝が見えてきた。マイナスイオンがたっぷり出ていて癒されそう。
私は滝が見える低い崖の縁に腰掛け、脚をブラブラさせながら、魔法書を開いた。
束の間、私は何もかも忘れて見入っていた。頬を撫でる優しい風、穏やかな太陽の光、枯れ草の匂い……。
なんて平和なんだろう。
そう思ったとき、脇に抱えていた本が一冊、するりと落ちた。
「あっ」
あわてて手を伸ばしたとたん、体がぐらりと前に傾き、石塀の向こうへと派手な音を立てながら落ちた。
「あ、い、たたた……」
魔法書を抱えていたので両肘をしたたかぶつけてしまって、腕に力が入らない。
「やだもう」
ため息をついて座ったまま石塀にもたれた。しばらくそうしていて、やっと手の痺れが治まったころ、ゆっくりと立ち上がった。そうして水音の聞こえてくる方へと歩く。やがて水音が大きくなり、崖の上に出たかと思うと、眼下にとうとうと川が流れていた。山賊に襲われて私たちが飛び込んだ川だろうか。
川を見下ろしながら上流の方へ歩いて行くと、三段の滝が見えてきた。マイナスイオンがたっぷり出ていて癒されそう。
私は滝が見える低い崖の縁に腰掛け、脚をブラブラさせながら、魔法書を開いた。


