魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

「キャラが崩壊してるとか思ってたんだもんな。でも、俺もいろんな世里が見られて楽しかったよ」
「いろんな私って、たとえばどんなの?」

 私の問いかけに、勇飛くんがいたずらっぽく笑って言う。

「偽アーマントゥルードと張り合って彼女のベッドに飛び込んだとことか、ありえないくらい大食いなところとか」
「あ、あれはですねぇ、魔法を使って生命エネルギーを消耗したからで、本当の私はあんなに大食いじゃないもん!」
「いーや、大食いだな。それは断言できる」
「違うってばー、もーっ」

 私がぶつ真似をして振り上げた左手を、勇飛くんにつかまれた。指先が絡められて、頬が熱くなる。

「どんな世里でも好きだよ。これからもずっと」

 勇飛くんが反対の手を私の腰に回して引き寄せた。

 その距離の近さにドギマギしてしまう。体が密着していますけどっ!

「あのっ、勇飛くん?」
「魔法なんかに頼らなくても、俺が世里をどう思っているか、嫌と言うほどわからせてやるよ」

 彼が熱っぽい瞳で私を見つめながら、腰に回した手に力を込める。いつもと違って、かなり強引……!?

 ちょっと待ってよ、それはキャラが崩壊しすぎだよーっ!

「ストップ! ここではダメ! インピーディム!」

 とっさに停止魔法のスペルと綴ると、勇飛くんがひょいっと首を傾げて避ける仕草をした。