魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

 作戦なんて何もなかった。ネフライトの言葉に腹を立て、挑発に乗ってのこのこやってきてしまった。こんな結果になるのなら、サンストーン大佐たちに、牢から脱出したらすぐにネフライトたちを探すようお願いしておけばよかった。

 約束の三十分まであとどのぐらいだろう。あとどれだけ時間を稼いだら来てくれるんだろう。

 私は泣きたい気持ちをどうにかこらえて、ドアに向かって床を這った。その前に、革靴を履いた足が立ちふさがる。

「もう何の力も残っていないのに、どこへいくつもりだ?」

 ネフライトが革靴のつま先で私の顎を持ち上げた。私は彼をキッと睨む。

「反抗的だな。とはいえ、その目、結構気に入ったぞ。アーマントゥルードを思い出させる。私の操り人形にしてそばに置いておこうか」

 息も絶え絶えなディヴィナの声が聞こえてくる。

「ネフライト様、何もそのような小娘をそばに置かずとも、あたしがおそばにおります! いくらでもアーマントゥルードに化けてみせます! アーマントゥルードの姿で永遠にあなたのおそばにいますから……!」

 訴えるような声だ。