その男に私は混乱魔法をかけた。呪文をかけられた男は、目をぐるぐる回しながら、頭に斬りかかる。
「おい、何やってる!」
勇飛くんの剣を弾いて頭が飛び退いた。
「混乱魔法をかけたわ。敵と味方がごっちゃになってるみたいね」
「このガキが!」
頭が足を蹴り上げ、砂がパッと舞い上がった。とっさに目をつぶったけど、目に砂が入って前が見えない。
「セリ、大丈夫か?」
勇飛くんの声とともに、剣がぶつかり合う激しい音が何度も響く。勇飛くんが懸命に戦ってるときに、まともに目つぶしを食らっちゃうなんて……。
涙を拭って視界を取り戻したときには、勇飛くんは頭を追い詰めていた。頭は背中を大木に押し当て、大刀を両手で握っている。
「さあ、どうする? 部下の一人は麻痺状態でろくに体を動かせない。もう一人は混乱状態であんたを敵だと思ってる」
勇飛くんに言われ、頭が歯ぎしりをする。
「くそっ」
「とっとと帰った方が身のためじゃないか?」
勇飛くんが一歩下がって、麻痺魔法が解けつつある部下の襟首をつかみ、頭の方に放った。部下は脚をもつれさせながら歩いて、頭に抱きついた。
「おい、何やってる!」
勇飛くんの剣を弾いて頭が飛び退いた。
「混乱魔法をかけたわ。敵と味方がごっちゃになってるみたいね」
「このガキが!」
頭が足を蹴り上げ、砂がパッと舞い上がった。とっさに目をつぶったけど、目に砂が入って前が見えない。
「セリ、大丈夫か?」
勇飛くんの声とともに、剣がぶつかり合う激しい音が何度も響く。勇飛くんが懸命に戦ってるときに、まともに目つぶしを食らっちゃうなんて……。
涙を拭って視界を取り戻したときには、勇飛くんは頭を追い詰めていた。頭は背中を大木に押し当て、大刀を両手で握っている。
「さあ、どうする? 部下の一人は麻痺状態でろくに体を動かせない。もう一人は混乱状態であんたを敵だと思ってる」
勇飛くんに言われ、頭が歯ぎしりをする。
「くそっ」
「とっとと帰った方が身のためじゃないか?」
勇飛くんが一歩下がって、麻痺魔法が解けつつある部下の襟首をつかみ、頭の方に放った。部下は脚をもつれさせながら歩いて、頭に抱きついた。


