いつになく低く寂しそうな声だった。また誰か魔法使いがここを利用するようになればいいのに、という思いと、虐げられる存在をこれ以上生み出してはいけないのでは、という思いが交錯する。
「セリ、行こうか」
勇飛くんに促されて、私は最後にもう一度、図書館の中を見回した。古い図書館独特の古びた紙の匂い、焦げ茶色の本棚、ぎっしり詰まった革表紙の本。明かり取りの窓から差し込む光を受けて、鈍く輝く螺旋階段の手すり、黒光りする階段。
「さようなら」
私は感傷に浸りながら外に出た。勇飛くんが通った直後、ドアはひとりでに静かに閉まった。
ふぅと息を吐きだした私は、まだやり残していることがあるのに気づいた。
「草むしり、しなきゃ」
目の前の雑草に覆われた庭を見渡し、腰に手を当てる。
「そうだな」
勇飛くんが麻のシャツの袖をまくった。
「よし、やるか」
「うん!」
「セリ、行こうか」
勇飛くんに促されて、私は最後にもう一度、図書館の中を見回した。古い図書館独特の古びた紙の匂い、焦げ茶色の本棚、ぎっしり詰まった革表紙の本。明かり取りの窓から差し込む光を受けて、鈍く輝く螺旋階段の手すり、黒光りする階段。
「さようなら」
私は感傷に浸りながら外に出た。勇飛くんが通った直後、ドアはひとりでに静かに閉まった。
ふぅと息を吐きだした私は、まだやり残していることがあるのに気づいた。
「草むしり、しなきゃ」
目の前の雑草に覆われた庭を見渡し、腰に手を当てる。
「そうだな」
勇飛くんが麻のシャツの袖をまくった。
「よし、やるか」
「うん!」


