魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

「いや、子どもたちに最後の指導は終えたし、ほかに急ぎの用はないんだ。セリを助けてくれた図書館だろ。俺にも手伝わせてほしいな」
「ユウヒくん……」

 その言葉が嬉しい。勇飛くんを好きな気持ちが膨れあがって、胸がじぃんと熱くなってきた。感謝の気持ちを込めて見上げたのに、彼ががっかりするようなことを言う。

「セリ一人にやらせたら、バケツを蹴飛ばして水浸しになるかもしれないしね」

 彼にいたずらっぽく片目をつぶられ、私は肩を落とした。

 一度やっているだけに、返す言葉がありません。

 私が手すりに続いて階段を拭いている間、勇飛くんが床を拭いてくれた。さすがに二人がかりだと思ったよりも早く終わった。

「図書館さん、終わったよ」

 私が呼びかけると、嬉しそうな声が返ってきた。

「ああ、久しぶりにすっきりしたなぁ。ありがとう」
「どういたしまして」

 私はバケツとホウキを取り上げた。短い間だったけど、図書館さんには本当にお世話になった。そう思うと胸がいっぱいになる。

「元気でね」
「セリもな……」