魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

「俺が代わりに図書館に行こうか?」

 私は少し考えてから答える。

「たぶん……魔法使いじゃないと魔法書の文字が読めないように、魔法図書館とも話せないと思う」
「魔法図書館と話せない?」

 勇飛くんが不審そうに私を見て、私の額に片手を当てた。熱があって正気じゃないと思われてる?

「あのね、図書館さんは生きてるの。それに、また来るって約束したから」

 勇飛くんがマスター・クマゴンの方を見ると、彼(彼女?)はうなずいた。

「図書館が生きているのは本当。古代の魔法使いが魔力で創り出したものだから」
「そうなんですか」

 マスター・クマゴンがためいきをつく。

「仕方ないわね。荷台の大きな馬車を借りてくるわ。藁を敷いて即席のベッドを作って、セリを運びましょ」
「クマゴン、ありがとう!」

 私が抱きつくと、マスター・クマゴンが照れたように笑い、勇飛くんが咳払いをした。