魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

 私は喉の痛みが取れないかと咳払いを繰り返した。こんなまずいものをよくも飲ませてくれたわね。

 不満顔で睨むと、彼がニヤリとしながら言う。

「甘かっただろ?」
「は?」
「とろけそうに甘くなかった?」

 それって、もしかしてもしかすると、キスのこと?

 私は恥ずかしくなって、掛け布団を目の上まで引き上げた。

 勇飛くん、キャラが変わってる! 学級委員でクールな剣士のはずが、キャラが崩壊してる~!

 ひとしきり布団の中で悶絶した後、私は勇飛くんの温もりの残る唇にそっと触れた。

 アーマントゥルードさん――ディヴィナ――のことを好きになったわけじゃなくてよかった。最初から怪しんで、彼女を油断させるために彼女の演技に付き合ってたんだ。

 私は最後に見たディヴィナの姿を思い出した。生命エネルギーを使いすぎて、かなり疲労していたように思う。それでも、王城のネフライトの元には戻れただろう。

 こうしちゃいられない。

 私はベッドの上にがばっと起き上がった。薬のおかげか、体もずいぶん軽くなっている。

「まだ無理しちゃダメよ」